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北広島市はボールパークだけじゃない!知ってほしい「赤毛」の魅力。

北広島市/北広島市島松1番地1 他
北海学園大学
工学部建築学科3年 紅谷優さん
法学部法律学科3年 竹ヶ原綾乃さん
法学部政治学科2年 石野洋輝さん
経営学部経営学科1年 横田小絃さん
※令和3年11月取材

北広島市はボールパークだけじゃない!知ってほしい「赤毛」の魅力。

~概要~

2023年3月に向けて、北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」を核としたボールパークが建設されている北広島市。実は寒地稲作の発祥の地であることをご存知でしょうか?北広島市は「ゆめぴりか」や「ななつぼし」などに代表する北海道米のルーツである「赤毛」の栽培が始まった地なのです。現在注目を集めている北広島市をもっと知ってもらうべく、この「赤毛」をキーワードに、野球を観戦する前や後に訪れて頂きたい北広島市の観光地やお店をご紹介します。

~赤毛と北海道米の歴史~

「赤毛」とは、「ゆめぴりか」や「ななつぼし」の北海道米の祖先にあたり、現在ではとても貴重な品種です。明治4年に中山久蔵が現在の北広島市島松に入植し、寒さに強い「赤毛」を使用した米作りを始めました。当時は、道南より北の地での米作りは不可能だと言われていましたが、明治6年から安定した米の収穫に成功しました。北海道米の歴史はここから始まりました。

赤毛を知る

北海道米の発祥の地である北広島市には、「赤毛」の歴史を学ぶことのできる施設があります。まずは「赤毛を知る」ことができる施設を紹介します。

~旧島松駅逓所~

はじめに紹介したいのが旧島松駅逓所です。
駅逓所とは、交通が不便な地に駅舎と人馬を備えた宿泊と運送の便をはかるための施設です。島松駅逓所は現恵庭市島松沢に明治6年に設置後、明治17年からは札幌県からの任命により中山久蔵宅が駅逓所となり、明治30年に廃止されました。全道各地にあった駅逓所も、その建物は現在ほとんど残っておらず、旧島松駅逓所は昭和59年に国指定史跡に指定されました。

また、この場所は札幌農学校の教頭を務めたクラーク博士が「Boys be ambitious(青年よ、大志を抱け)」と名言を残した場所であったり、明治14年に明治天皇が北海道巡幸中に昼食をとられる際に行在所(あんざいしょ)とされた場所でもあったりとさまざまな歴史があります。

さらに、旧島松駅逓所は歴史だけではなく、景色も楽しむことができます。職員の方に伺ったところ、旧島松駅逓所の魅力は「季節感」だそうです。冬期間は閉館していますが、夏にはハスの花が咲いたり、秋には紅葉を楽しむことができたりと季節によって駅逓所の景色が変化します。中でもおすすめが春で、建物前に咲く桜がとても綺麗だそうです。駅逓所の春の開館は4月下旬。本州の桜の時期としては遅いですが、北海道ではちょうど桜の開花時期。この時期はプロ野球もシーズン開幕から1カ月くらいですので、新球場でのプロ野球観戦とともに、歴史と景色を楽しむことができる旧島松駅逓所にぜひ訪れてみてください。

<基本情報>
所在地:北広島市島松1番地1
電話番号:011-377-5412(開館中)
FAX番号:011-373-0189(北広島市エコミュージアムセンター知新の駅)
期間:4月28日~11月3日(毎年)
料金:小中学生100円(団体70円)、大人200円(団体150円)※20名以上で団体割引が適用されます。
アクセス:車で道央自動車道北広島インターチェンジから約15分。
URL:国指定史跡 旧島松駅逓所
(http://www.city.kitahiroshima.hokkaido.jp/kyoiku/detail/00007660.html)

赤毛を味わう

このように北広島市には赤毛の歴史はあるものの、今まで市の”特産品”を使用した加工品や土産品がありませんでした。そこで北広島商工会は地域の活性化や米作りの偉業を伝えるため、赤毛米を復活栽培したり、北広島市の特産品としてPRしたりする取り組みを続けています。現在、赤毛米そのものを食べられる機会は少なく、限られた時期に食べられる程度ですが、加工品で味わうことができます。また、子孫の北海道米を通じて赤毛米に触れることができます。ここでは「赤毛を味わう」ことのできる場所を紹介します。

~安寿真~

「赤毛を味わう」場所のひとつに地元のお菓子屋さん 「安寿真(あずま)」があります。安寿真では赤毛米を使用した商品「まいピーロール」、マドレーヌやクッキーなどの焼き菓子5種類に加え、さらに赤毛米から作られたお酒の酒粕を使用したスフレカステラや甘酒タルトも販売しています。

「まいピーロール」は生地に小麦を一切使用せず、赤毛米を100%使用した米粉のロールケーキです。生地自体の味は特に癖はなく、ホロホロと解け、少し粗めな舌触りが特徴的です。滑らかなクリームと存在感のある生地の食感の対比がとても美味しくペロリと食べられます。

北広島市朝日町にある店内に入るとすぐにメープルの甘く良い香りがします。安寿真では北広島市の市木であるかえでの木にちなんでメープルシュガーを使用したクッキー、フィナンシェなどの焼き菓子、「エルフィン」というブッセや、「きたひろ純生ロール」、「あんびしゃす」というあんこパイなどの北広島銘菓に、焼きたてのパイ、シュークリームやケーキなど様々なお菓子の製造・販売しています。
店主の東さんは「ボールパークを目指してやって来た人に、北広島市には自分達のような地元に根付いたお店があることを知ってもらいたい」と語っていました。

<基本情報>
住所:北広島市朝日町1-4-7
電話:011-372-0123
営業時間:9:00~19:00
定休日:年中無休(元旦のみ休日)
駐車場:有り(3台)
アクセス:JR千歳線 北広島駅から徒歩18分
URL:お菓子の安寿真 北広島店
(https://www.e-azuma.biz/)

~くるるの杜~

続いて紹介したいのは、北広島市大曲にある「ホクレン食と農のふれあいファーム くるるの杜」施設内の農畜産物直売所です。農畜産物直売所は、北海道のJAや生産者の方の地産地消の思いを届けることを目的とした直売所です。ななつぼし、ゆめぴりかといった「赤毛米」の子孫である北海道米を玄米の状態で買うことができます。そして、「北広島産お米セット」として、11月下旬から12月の期間限定で赤毛米を食べることができます。他にも、北海道産の野菜や果物、農産加工品、お惣菜、北海道産の酒造好適米を使った日本酒など様々な北海道の物産が売られています。お土産に北海道米など北海道の物産品はいかがでしょうか?

また、くるるの杜では農村レストランで食事をしたり、農作業や調理加工など様々な体験ができたり、家族で楽しむことができる場所となっています。

<基本情報>
住所:北広島市大曲377-1
電話:011-377-8700
営業時間:農畜産物直売所 10:00~17:00
農村レストラン・ブッフェランチ/11:00~15:30
定休日:HPに掲載しています
アクセス:JR北広島駅から北海道中央バスで、広島線星槎道都大学経由(札幌ターミナルまたは福住駅 行)「ふれあい学習センター」停下車後、徒歩約5分、北広島駅から車で約13分
(写真提供:くるるの杜)

終わりに

北広島市にはボールパークという新しい魅力だけではなく、歴史的価値の高いものや地元に馴染みのあるものといった魅力がたくさん存在します。また、北広島市各所でボールパーク完成と連携したイベントも企画しているそうです。新球場へ訪れる際は、ぜひ北広島市の各地へ立ち寄ってみてください。

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