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奥の深いビール造りだからこそ、江別というマチを選んだ。

SOCブルーイング株式会社/取締役工場長 多賀谷 壮氏
●江別市元町11-5
●設立 2002年5月13日
●従業員 14人
※令和3年6月取材

奥の深いビール造りだからこそ、
江別というマチを選んだ。

ビールは他のお酒にないほどのバリエーションがあり、そんな中でクラフトビールは英語で「職人技のビール」と言い表され、大手ビール会社の量産するビールと対比されます。江別という札幌のすぐ隣のマチに醸造拠点を持ち、こだわりのビールを発信し続けるSOCブルーイング株式会社。取締役工場長 多賀谷壮氏(以下、敬称略)にビール醸造にかける思いをお聞きしました。

自分仕込みのMyビールを!

———創業のきっかけや当時の思いをお聞かせください。

多賀谷 日本では1994年に酒税法改正が規制緩和されたことにより、小規模なビール醸造が日本全国に登場するようになりました。地ビールブーム低迷期ではありましたが、弊社は2002年に札幌市で起業。札幌市東区の札幌軟石の石蔵を改装し、お客様ご自身で自分仕込みの「Myビール 」を醸造できる体験型ビール工房をオープンしました。このような時期でしたが、本物の美味しさは必ず受け入れられるはずとの思いで、品質・ 味にこだわったビール造りを目指し2003年に醸造を開始しました。細やかな管理が出来る1仕込み50ℓという 、少ロット醸造ならではのプレミアム感で飲食店のオリジナルビールや、結婚式の引き出物、また観光客の方にとっての「旅の思い出ビール」ほか、さまざまなニーズに対応したいと考えていました。ビール工房をオープンして5年が経過した頃に、日本地ビール協会が主催するコンテストにビール出品したところ、I.P.A.部門で金メダル獲得という快挙を成し遂げました。それによって受注量も増え、工場移転を検討するようになりました。そして、2009年4月、札幌市のとなりまちで麦の名産地である江別市に工場を拡張移転し、地元産の原料などを取り入れながら現在に至ります。

江別産のハルユタカを使ったビール造り。

———江別を醸造拠点にお選びになった理由は?また、小麦を使うヴェイツェンの味の特徴とは?

多賀谷 工場の移転先を検討している頃に、新たなアイテムとして取り組んでいたのがヴァイツェンでした。一般的なビールの主原料は大麦ですが、ヨーロッパの一部のスタイルでは大麦半分、小麦半分のものがあります。それがヴァイツェンです。この取り組みのために、江別産小麦「ハルユタカ」を使用して試作を繰り返しました。この際に、江別の方々に大変お世話になったことが工場移転先を決めた大きなきっかけになりました。
小麦にはたんぱく質の含有量が多いので、ビールの味わいにこのたんぱく質のコクが出て、小麦由来のやわらかい口当たりになります。専用の酵母で香りもフルーティー。江別産ハルユタカの小麦麦芽を贅沢に使った香り豊かなビールとなっています。

江別で「Beer is Art」を追求していきたい。

———御社のビールの種類やこだわりについてお聞かせください。

多賀谷 カナダで修業したブルーマスターと若手ブルワーが情熱を持って「NORTH ISLAND BEER」を醸造しています。カナダでの修行中に恩師から伝えられた言葉が「Beer is Art」。この言葉の通り、ビールはとても奥の深いお酒なのです。多種多様のビールを楽しんでもらいたいという思いから、ノースアイランドビールでは5種類のレギュラービールに加えて、限定ビールやシーズナルビールの醸造も行っています。
弊社の夢の醸造に、これからも江別のマチは欠かせない存在となりました。江別は札幌のすぐ隣。ここに拠点を置くようになって特に思うのが、江別で生まれ育った方はとても江別愛が強いということ。そして、他から来た人にも情が深い。このマチの小麦「ハルユタカ」と「人とのつながり」の中で未来に向け、弊社にしかできない「Beer is Art」なビール造りを目指していきたいと思います。

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