こちらもロースハムと同じく、ドイツの失われた製法と長期氷温熟成で作り上げた骨付スペアリブ。一度食べたら忘れられないおいしさに、リピーターも多いそう。
「骨付き肉を自然熟成した後、スパイスの効いたタレに4週間漬け込み、熟成されたお肉を薪と炭火でじっくりとスモークしました。お肉の凝縮された旨みと、絶妙なスパイスが特徴で、噛むほどにお肉の旨みが溢れ出します」と(株)エーデルワイスファームの野崎徹専務取締役。
同社独自の4週間の長期氷温熟成も家族の歴史から生まれました。「自家用として楽しんでいた時代は、例年12月初旬に豚を屠畜して塩漬けにし、地下室で4℃の温度で1週間熟成を行っていたのですが、50年前のある年、忙しすぎて1か月程放置してしまったそうです。腐っていると思って片付けようとしたところ、嗅いだことのないフレーバーが漂い、試しに燻製にしたところ、とてもおいしいものが出来上がったのです」と野崎さん。その年は、冷え込みが厳しく地下室の室温が0℃以下まで下がっていたことから、長期氷温熟成の製法が加わりました。
さらに、同社のこだわりは原材料にも。「素材である豚肉は仕上がりに大きく影響します。この30年、私たちの独自の加工技術に合う豚肉を求めて、北海道産に限らず、イベリコ豚など本場ヨーロッパの豚肉を仕入れるなど、常においしさを追い求め続けています」と語ります。「召し上がるときは骨からお肉を外し、お好みの大きさに切ってそのままか、フライパンで焼いてください」。スープやシチューに入れてもだしが出ておいしく、外した骨でスープを取るのもおすすめだそうです。最後に今後の展望を。「量より質を貫くのは今まで通りですが、これからは少しでも生産量を上げて多くのみなさんのお手に届くようにしたいと考えています。社長である兄と力を合わせて祖父母の時代のような牧場を復活させ、農業から加工・販売までを一貫して手掛け、カントリーライフの食文化をお届けすることが将来の夢です」。
2017年度認定