札幌すすきのに店を構え、北海道の食材を関西仕込みの技で提供する老舗料理店浪花亭。同店ではこれまでお店で評判を得た商品を「北のおみや」として商品化してきました。2014(平成26)年には十六度ゼリータイプが北のハイグレード食品+に選定されています。
今回のきっかけは毎年年末に各地の酒蔵から届く酒粕でした。「せっかくいただいても粕漬けや粕汁などしか使い道がなく、なんとか活用できないものかと頭を捻りました」と(株)すすきの浪花亭代表取締役で、販売会社の(株)北のおみや取締役の村井弘治さん。結果、弟の(株)浪花亭村井隆専務のアイデアからミルク甘酒が誕生しました。魅力はミルクと酒粕の絶妙なブレンド加減。嫌味のない甘さ、酒粕の食感を適度に残した喉越しに、練乳で付けたミルキーな香りが鼻孔をくすぐる、ありそうでなかったデザートです。お店で提供しつつ磨くこと3年。「『こんなにおいしいなら雪まつりに出してみたら』とお客様から声がかかり、2011 (平成23)年に大通会場で試験販売を行いました」と村井弘治さん。自社で1,000杯分を用意し一杯300円で販売したところ、初日に早くも700杯を売り上げ、急遽アイスクリームメーカーにレシピを送って追加製造。期間中に7,000杯を売り上げ、その後も「どこで売っているの?」という問い合わせが多数。大反響を受けて同社では早速「甘酒 雪ミルク」として商標を登録し、パッケージも整えました。現在は増毛町にある国稀酒造の酒粕を使い、十勝で質のよい牛乳を生産しているメーカーに製造を委託しています。今回応募のしろくまの顔がついたパッケージと「しろくま雪ミルク」というネーミングは昨年から始まった円山動物園オフィシャルサイトとの提携によるもの。動物園のオフィシャルショップ、セブンイレブン札幌円山動物園店、一部通販で手に入れることができます。
村井さんは、「選定商品の新展開をはじめ、これからも北海道の食の価値を発信できる『北のおみや』をつくっていきたい」と意欲を燃やしています。
2017年度認定