山加製粉㈱は、そば粉に特化した製粉会社。取引先はそば店を中心とした飲食店です。そんな中で、一般消費者がそばに持つイメージを変えたいと「SOBACO」ブランドを立ち上げ、自社で商品化した製品も販売しています。
「その中で最も手に取りやすく、従来のイメージに近いけど特徴のあるそば商品がだるまそばです」と社長の長男で、営業部課長の藤沢雄太さん。「お店で買い物をするのは圧倒的に女性だから、女性に手に取ってもらえる商品を創ろうということになりました」。そもそも日本人はつるりとした食感を好むというデータがあり、そば店から、女性は細いそばを好む傾向があるという話も聞いていました。石臼で挽いた道産そば粉を使い、そば粉と小麦粉との配合や、そばの細さを変えて試作を繰り返し、プロジェクト開始から3年の歳月を経た昨年7月8日、だるまにちなんだ七転び八起きの日にデビュー。
「麺は、そばとそうめんの中間よりさらにそうめん寄りの細打ちにし、そば粉と小麦粉の配合は、つるつる感があり、かつそばの香りも楽しめる5:5の比率に。さらにつなぎに長いもを入れ、つるつるした食感をアップしています」。藤沢さんたちがつなぎに選んだのが、一般的な長いもより豊かな粘りを持つむかわ町、四代目中澤農園の「だるまいも」。形がずんぐりして倒れない達磨のような姿から「だるまいも」と呼ばれるようになったそうです。
「干しそばという商品があふれた市場の中で差別化を図るため、だるまいもから取った『だるまそば』というキャッチ―なネーミングにし、パッケージは女性の手に取ってもらえるよう、清潔感とかわいらしさを意識しました」また、麺が細いので、茹で時間が3分30秒と通常のそばに比べて短いのもポイント。藤沢さんは、年越し需要だけでなくそうめんの代替として今夏の消費に期待しています。
「近年はそばの健康効果にも大きな注目が集まっており、間もなくグルテンフリーの商品も販売予定。これからも斬新な商品を通じて、そばのよさを発信していきます」
2020年度認定