開発のきっかけは3年前。北海道の産品を使った商品づくりで役に立ちたいという(株)もりもとが探していた菓子づくりに欠かせない“酸味”のあるフルーツを偶然にも仁木町で教えてもらったことに端を発します。同社一行が仁木町を訪問した際、「こんなにおいしいさくらんぼがあったのか!」と感激したのが、「水門」。北海道で古くから親しまれてきた品種で、食用で甘みの強いさくらんぼが主流となっている中、酸味も強いのが特徴です。町の熱意に応える意味もあり、この水門を使って、1978(昭和53)年に発売された同社の看板商品の一つであるハスカップジュエリーの、初のシリーズ商品に取り組むことに。
「酸味をいかしておいしく仕上げるのはハスカップジュエリー以来の当社の得意技。一番のセールスポイントは「水門」の酸味をいかしたさくらんぼジャムです」と開発を担当した荒谷陽介さん。「チェリージュエリーもハスカップジュエリーと同じく『ちいさなケーキ』がコンセプト。自社製ジャムを特製クッキーと道産バタークリームでサンドし、周りをチョコでコーティングするという複雑な構造を持つ手の込んだ商品ですが、それぞれのパーツがおいしく、かつ一つのお菓子としておいしくて食感もよい、というまとまりが求められます」。
長い開発期間を経て、デビューは昨年10月仁木町で開催された「うまいもんじゃ祭り」。「水門の生産者のみなさんが『ちゃんと水門の味がする』と喜んでくれて、親戚に配るからと大量に買ってくださったときは、本当にうれしくて目頭が熱くなりました。現在売れ行き好調です」。他にも“北の散歩道シリーズ”、“太陽いっぱいシリーズ”がありますが、中には地域連携包括協定をきっかけに生まれた商品があります。
商品を通じて北海道産を全国に、世界に発信するお手伝いがしたいという(株)もりもと。仁木町との連携を継続するほか、他の地域とのコラボレーション企画なども進んでいます。
2017年度認定