北海道を代表する漬物『にしん漬け』は、身欠き鰊と米麹を使って野菜を漬ける昔ながらの保存食。伝統を守りつつ、さらに美味しいにしん漬けを…と素材に徹底的にこだわり、贅沢なにしん漬けが誕生しました。
商品名にもなっている『史上最強の身欠き鰊』は、函館の兼大岩崎水産自慢の逸品。通常の身欠き鰊は数の子を取った後の身がやせた鰊で作りますが、こちらは脂をたっぷり蓄えた産卵前の鰊を約1週間低温で干し上げたもの。気になる小骨や鱗は一つひとつ手作業で取り除かれ、生臭さが残らないように一度酢で締めています。「そのまま食べても旨みが感じられ、非常に美味しい鰊。この身欠き鰊に出会ったからこそ、生まれた漬物なんです」と製品開発に携わった福森敏春さんは語ります。白菜にもこだわり、6月~11月までは北海道産を、それ以外の時期は国産の白菜の中で肉厚のものを厳選。粗漬けの後、独自に配合した調味液でじっくりと漬け込みます。そして全体をまとめるのは麹の役割。米と麹を炊いて甘酒のようにしてから全体に馴染ませると、実にまろやかな風味になるのです。
隠し味に加えられた生姜の存在も見逃せません。千切り生姜と調味液に加えられたおろし生姜がダブルで味に深みをプラスしています。「見た目の美しさにもこだわりまして、白菜は白と黄色のコントラストがはっきりしている黄芯系の品種を選びました。身欠き鰊は姿がきれいなのでそのまま乗せ、お好みの大きさに切っていただくようにしました」。初めてにしん漬けを食べる方も、長年にしん漬けに親しんで来た方も、白菜のみずみずしさと身欠き鰊の柔らかさに驚くことでしょう。
2012年度認定