これからの時代を支える、建設業のあるべき姿を目指して。

株式会社玉川組/取締役総務部長 荒木健司氏
●恵庭市相生町4丁目6番30号
●設立 1963年4月13日
URL:https://tamagawagumi.co.jp/

※令和6年2月取材

これからの時代を支える、
建設業のあるべき姿を目指して。

株式会社玉川組は、昭和38年に創設者である玉川進氏が砂利運搬業を創立。そこから歴史の幕が上がりました。時代の波を何度もくぐりながらも、同社は故郷である恵庭の地をホームベースに60年以上も確かな業績を積み重ねてきました。そして現在、3代目社長である玉川裕一氏は、「古き良き伝統は継続しながらも、DX(デジタルトランスフォーメーション)や新しい考え方をいち早く取り入れていかなければならない」と常に時代の革新を見据えています。受け渡されてきた経営者たちのバトンの功績として、令和4年には北海道社会貢献賞(建設雇用改善優良事業所)を受賞。創業当時から、「困ったことがあったら、何でも言ってこい」と、社長室のドアはいつも開けっ放し。それは今も変わらずで、「人間味があり、何でも相談しやすい会社。逆に背筋が伸びる思いがあります」と語る、取締役総務部長である荒木健司氏。同社の理念は、この北海道社会貢献賞の受賞によりあらためて評価されたことにもなり、これからますますの活躍が期待されます。「建設業としてあるべき姿を大切に考えていきたい」。荒木氏のその言葉にこめられた、未来への思いを伺いました。(以下、敬称略)

北海道社会貢献賞受賞。それはずっと変わらずにやってきたこと。

———令和4年に受賞された北海道社会貢献賞(建設雇用改善優良事業所)について、受賞をするまでの経緯をお聞かせください。

荒木 当社では、通年雇用の促進、資格取得のサポート、入院時の個人負担分をカバーする保険の加入など、社員が安心して働ける環境づくりを目指し、常に改善を心がけています。そのような中で、北海道社会貢献賞の存在を知り、社内にて検討しご応募させていただいたところ、受賞させていただきました。当社がごく普通に取り込んでいたことですので、応募前も応募後も特に変化したという感覚はありません。ただ、社員の意識向上には役立ったかと思います。
当社が積極的に取り組んでいる建設労働者の通年雇用化においては、オペレーターや作業員が夏季は各現場、冬季は主に除雪作業に従事し、年間を通して勤務できるよう体制を整えています。また、災害協定に基づき、有事の際に必要な人員の確保の観点からも通年雇用を推進しています。
女性においてもICTの進化もあり、社内業務だけでなく、現場でドローンを扱ったり年々活躍の場を広げています。女性ならではの細かい配慮は、施主さんからもとても高い評価を得ています。

若い人が辞めない会社。頑張り続けたいと思う理由。

———御社は、過去5年間の新卒社員の離職率が0%とお聞きしました。その理由についてどうお考えでしょうか。

荒木 当社は以前、あるテレビ番組でSDGsの取組について取材を受けたことがあります。しかし、それは当社があらためて取り組んでいたものではなく、たとえば、「花のまちえにわ」として花と緑の活動に力を入れる恵庭市の活動に地元企業として応援していることであったり、安全かつ快適な職場環境を形成していることであったり。当社にとっては「普通の業務をしながら、地域貢献している」ということにスポットを当てていただいたにすぎません。
教育支援・スキルアップについても当社では、働きながらさまざまなことを学びたいという職員の意欲に全力で応えています。
現場には、現場監督と作業員さんがいます。5~6年前の話になりますが、あるとき「将来、現場で技術者として働きたい」と言ってきた若い作業員さんがいました。それには資格が必要なことを伝えましたが、それを聞いても彼の意志が揺らぐことはなく、日曜日ごとに専門学校に通い続けました。まさに有言実行とはこのことで、2年連続で資格を取得し、今では現場監督として活躍しています。そんな意欲を持つ人材はなによりも会社の財産であると考え、当社は支援を惜しみません。やる気を持てる環境、それに応える会社。そこに新卒者である若者たちの心に刺さる何かがあるのだと思っています。

地元恵庭のため、社員のため、これからも信頼される企業として。

———御社が大切に考えること、未来への展望をお聞かせください。

荒木 新卒者だけでなく、当社は他ではちょっと驚かれるほど全体的に定職率が高いのも特徴です。その理由の一つは、現場が遠くて出張しながら入るという過酷さがなく、ほとんどが道央圏の仕事が多いこと。建設業はきついとよく言われますが、当社は社員が働きながらも自分の生活を大切にできる環境づくりを心掛けています。
しかし、担うのは責任ある現場だからこそ、そこで培われる人間性には大きく誇れるものがあります。
今年の4月に入社が決まった、一人の高校新卒者(普通科)の話です。
3年生になってインターンシップのバスツアーがあり、当社をはじめ、いろいろな業種を見学し終えた彼が、ぜひ当社に入社したいと面接を受け、この春に入社することになりました。建設業も知らない、普通科の彼がなぜ当社に魅力を感じたかというと、その場にいた現場監督と話をして、その人柄に惹かれたからだというのです。自分の将来を左右する就職という場面で、彼の心を突き動かすだけの人間性を当社の現場監督に感じてもらえたのかと、あらためて「企業は人なり」を実感しました。
創業者が言った「社員は家族」の思いは今も変わる事なく、当社は地元恵庭を中心として、建設業の存在意義であるライフラインの確保や、有事の災害対応を責務と考え、これからも変わらず地域に貢献できる企業を目指していきます。そしてなによりも社員が安心して働きやすい企業であり続けたいと考えています。

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